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福島県郡山市にあるブルーバードアパートメントは、昭和の美容室をリノベーションして生まれた建物。カフェ、オフィス、イベントスペースなどを備えるこの建物を作り出したのがデザイナーの佐藤哲也さん。建物を通じて、郡山という街までデザインする佐藤さんにお話を伺いました。ノグチくんとバンダイさん、カフェで食べるだけで終わらないように!

観光客でなく地元の人のサードプレイス

ノグチ
うまい!バンダイも食べなよ。
バンダイ
へぇ、これはマンゴーかな。
ノグチ
知らなかったな、郡山でもマンゴーってとれるんだ。
佐藤
いや、それは宮崎のマンゴーですよ。
ノグチ
え?地元食材じゃないの?こういうカフェって地元の美味しいものを使うもんでしょ?
佐藤
いえ、ここをデザインしたデザイナーの佐藤哲也です。

ブルーバードの生みの親、佐藤哲也さん

ノグチ
佐藤さんかー、惜しかったな。
バンダイ
・・・全然惜しくないでしょ。
ノグチ
あー、硬い、硬いよバンダイは。
「マンゴー」と「さとう」ってことは、どっちも甘さが特徴だろ?惜しいだろ?
頭をマンゴー並みに柔らかくしないと。まだ熟してないねバンダイは。
バンダイ
ノグチくんって、絶対間違いを認めないよね。
佐藤
あの、そろそろいいですか?
ノグチ
こちらこそ、そろそろお話してもらえますか?まずはこの建物のことを。
佐藤
このブルーバードアパートメントは4階建てなんですが、各階にそれぞれ役割があります。
1階のカフェは街のおじいちゃんおばあちゃんから、若い人までいろんな年齢層の方が集まる場所になっています。
2階は僕のデザイン事務所、3階はシェアオフィス、4階はイベントスペースになります。
ノグチ
デザイナーさんらしいこのオシャレな建物。どんなきっかけで作ったんですか??

1階のカフェ。オシャレ!

購入できる商品の中には、珍しいものも

佐藤
東京にも私の事務所が入っている4階建てのビルがあるんですが、違う機能がひとつにまとまった建物に、街のいろんな人が集まる。
その感じがいいなと思って兄弟みたいに似たつくりにしました。
だから、4階のスペースはどちらもアウトドアブランドのスノービークさんとコラボしてたり、まさに兄弟ですね。

スノーピークとコラボした4階

4階のテラスでは料理もできる

ノグチ
離れて暮らすオシャレ兄弟の誕生!よっ、名デザイナー!!
佐藤
ありがとうございます。
ノグチ
いえ、お礼は結構!むしろ弁明をしていただきたい!
佐藤
え?
ノグチ
1階のカフェのメニューですよ。
福島県にはたくさんの美味しい食材があるのに、宮崎のマンゴーが出てきました!
ここは地元の美味しいものを提供するカフェじゃないんですかっ!?
佐藤
あぁ、それはですね・・・。
ノグチ
言い訳ですかっ!?でも、一応聞きましょう。私も鬼じゃないんで。
バンダイ
(弁明してって言ったのに・・・)
佐藤
確かに福島には美味しい食材がたくさんあります。でも、それは家庭でも使いますよね?
ここを観光客のためでなく、地元の人のためのカフェにしようと思った時に、普段スーパーでは見かけないような食材を使ってみようと思ったんです。
自宅では食べないような食材、日本全国の旬のものなどを取り入れることで、新しい発見をしてもらって、旅をしているような気分になってもらえるんじゃないかと。
ノグチ
佐藤さん・・・。
佐藤
はい。
ノグチ
正解です!やっぱり、思った通り!その言葉を聞きたかった。
地元の人にとっては、普段と違う楽しみができますもんね。
バンダイ
(ノグチくん、まず謝りなよ・・・)

見た目もオシャレなカフェのお料理

佐藤
観光客のためというより、ここは地元の人の日常を考えて作った場所なんですよ。
バンダイ
そうか、日常をつくりたかったんですね。
佐藤
はい。

入り混じる面白さ

ノグチ
実際、どんな方が利用するんですか?
佐藤
週末は若い女性が多いですね。ちょっとおしゃれをして待ち合わせするような。
一方でおじいちゃんおばあちゃんも来てくださるので、カフェで落語をやったりすると・・・。
ノグチ
え?佐藤さんが落語を?
佐藤
いや、僕じゃないんですけど。
ノグチ
やらないんですか?やりましょうよ。やらずして諦めるんですか?
佐藤
落語をやると、おじいちゃんおばあちゃんと若い女の子が入り混じる不思議な空間になるんですよ。
バンダイ
(佐藤さん、スルーした・・・ノグチくんに慣れてきてる・・・)
ノグチ
それは面白そう。
佐藤
いろんな人が属性関係なく集まって楽しんでいるのを見るのが、とても好きなんです。

落語が開かれたときの様子

バンダイ
建物全体でもそういった入り混じる感じがありますか?
佐藤
最初はフロアごとに独立したものになると思ったんですが、やってみたら3階のシェアオフィスの人が4階のスペースで仕事をしたり、使う人が使い方を発見してくれている感じです。
スタートしてみて、地域の人に活気が出ましたね。

3階のシェアオフィス

パーティーの利用もできるみたい

ノグチ
佐藤さんの落語で?
佐藤
ここに若い人が集まってくることで、地域の人のモチベーションが上がったというか。
人の交流という意味ではたくさん入り混じるきっかけになっていると思います。
バンダイ
(連続スルー・・・)
ノグチ
佐藤さんは奥様もデザイナーさんなんですよね?
佐藤
そうです。
ノグチ
ご自宅もここみたいにオシャレで綺麗なんですか?
佐藤
実は僕、掃除が嫌いなんですよ・・・。
ノグチ
え?オシャレで綺麗なオフィスを作れる佐藤さんなのに、建物で暮らす人としての基本、その掃除が?
佐藤
・・・嫌いです。
バンダイ
(ノグチくん、言わせるの好きだなぁ・・・)
佐藤
だから、綺麗なのは奥さんが掃除してくれるおかげです。
バンダイ
奥様、テキパキしてらっしゃるんですね。
佐藤
掃除や洗濯は奥さんが頑張ってくれてるんですが、僕の服はたたまれず放置です。
ノグチ
・・・聞いちゃってごめんなさい。
バンダイ
(ここで謝った!)
佐藤
僕は家でデザインの話とかもしたいんですけどね。
奥さんは仕事の話より、お酒を飲みたいみたいです。
ノグチ
プロでも夫婦の関係をデザインするのは難しい、と。
奥さんにこのインタビュー読まれないように気をつけないと。

街はつくれない

バンダイ
佐藤さんは、建物だけでなく郡山という街をデザインしてる気がするんですが、街づくりに関してはどういう考えを持ってらっしゃるんですか?
佐藤
基本、街はつくれないんですよ。
ノグチ
つくれない??
佐藤
大きくつくるものでなく、街はひとりひとりの中にあるものという考えでやっています。
時間が経った時に思い出せる、大切な場所がそれぞれにある。
その数が多ければいいな、と思っています。
バンダイ
大きな視点で区画をどうしよう、とかではなく個人レベルの視点を持つ?
佐藤
「半径200メートル」という距離感をすごく大事にしてるんですが、そのエリアの中に拠点を作って、それをつなげていったり。
ノグチ
あぁ、手の届く範囲というかリアルに感じられる距離の中で。
佐藤
はい、ですから次に考えてるのは小さな宿泊施設とか、スイーツのお店とか。
ノグチ
宿泊施設?駅前にホテルはたくさんありますよね?
佐藤
大きなものでなく、ちょっとお酒を飲んだ地元の方がちょっと今日は泊まっていこうか、と気軽に思えるような小さなゲストハウスです。
ノグチ
なるほど、それも住んでいる方の日常になる場所ですね。
佐藤
そうです。
ノグチ
考えてみると、ホテルもすでにたくさんあるし、郡山って福島の中では都会ですよね。
佐藤
僕は仕事で全国いろいろと回っているんですが、郡山という街は福島県の中心にあって、移動する拠点としての機能は整っているんです。
バンダイ
確かに。
佐藤
だから、郡山のポテンシャルを生かそうと思うと、観光施設をつくるのではなく最高の通過する場所にしていこうと。
ノグチ
最高の通過する場所?
佐藤
新幹線も止まる、レンタカーもある、福島の真ん中の都市ですから、皆さんここを通っていろんな場所へ移動しますよね。
その便利さを高めていって、もっと人が経由してくれる場所、最高の通過スポットにしていくことを考えています。
ノグチ
佐藤さん!
佐藤
はい。
ノグチ
今日2度目の正解、おめでとうございます!
佐藤
正解かはわかりませんが、今あるものを使って地元を面白くしていきたいですね。
ノグチ
半径200メートルもいいですが、
たまには半径3メートルくらいのことも考えてくださいね。
佐藤
・・・はい、家の掃除もしようと思います。
バンダイ
(この2人、最後になにか通じ合ったみたい。)

リノベーション中のブルーバード

佐藤さんのRethink

Rethink Point

「新しい街をつくる」→「街はすでにある」

「地域の日常を見つめる」

そのほかの 福島のRethinkな人たち

  • ~楽膳 代表 大竹愛希さん~

    「知らない世界のものづくり」→「自由な発想からのものづくり」

    「伝統と時代をマッチさせる思い」

    私も知らないお椀づくり

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    「ファッションは都会でつくるもの」→「都会では発想できないファッション」

    「クリエイティブを生むコミュニュケーション」

    故郷で紡がれる糸と人

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    ラニットオフィシャルサイト(https://lanit.jp
    ペーニャオフィシャルInstagram(@pena.kawamata

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    「洋酒でつくるドイツのクリスマス菓子」→「地酒でつくる会津のクリスマス菓子」

    「プラスアルファで考える」

    プラスアルファでつくる新会津

    福島県会津若松市。地元で「コビパン」と呼ばれ愛される「ホームベーカリーコビヤマ」は、先代が和菓子店からパンと洋菓子の店へと生まれ変わらせたパン屋さん。ここで洋菓子の枠を超える「會津が香るシュトーレン」を生み出した小桧山和馬さんのもとに、ノグチくんとバンダイさんが向かいました。どうやらとてもパンが食べたい様子です。

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