DIGEST MOVIE

漫才コンビ「母心」は2008年に福島県で結成され、その後も長く福島県で活躍している。お笑いという仕事が福島ではまだメジャーでなかった結成当時、どのようにお笑いの仕事を定着させてきたのか。そしてそこにあった、お2人のRethinkとは?今回は賑やかになりそうです。

キャラクターのRethink??

ノグチ
バンダイ、今回は久しぶりに女性の登場か?
バンダイ
わかりやすく嬉しそうだけど、違うはずだよ。
ノグチ
いや、でもあそこに着物があるんだよ。女性のものじゃないか?
バンダイ
あぁ、あれは多分···。
嶋川
お待たせしました、よろしくお願いします。
お願いします。
ノグチ
···すみません、人違いだと思います。僕たち女性を待っているんです。着物の。
嶋川
え?あらやだ、オカン姿が御所望でした??
ノグチ
ん?···もしかして。なんだろう、とっても嫌な予感がするんですが。
嶋川
ちょっと!誰が嫌なオカンだって?
いや、ヨカンだよ。
ノグチさんっ!ヨカンとオカンをかけるあたり、お笑い好きですね。
ノグチ
あぁ、やっぱり···。あの着物はお仕事で女装するときの衣装、ですか?
嶋川
お察しの通り、改めまして母心のオカンこと嶋川武秀と。
関あつしです。

右が関さん、左がオカンでないときの嶋川さん。

ノグチ
おい、バンダイ。とんでもない人のとこに来ちゃった気がするぞ。
予言しようか?今日は長くなるっ!
バンダイ
その予言は当たりそう。母心は福島で結成されたんですか?
もともと福島市の飯坂温泉を盛り上げるための劇団メンバーとして福島に来て、その後で嶋川さんと母心というコンビを組みました。
嶋川
だから、出身地はそれぞれ違うけれど、母心というコンビは福島生まれということですね。結成が2008年かな。母心としては13年目になりました。
ノグチ
コンビってどうやって生まれるんですか?どちらかが誘うとか?
嶋川
それがねぇ、オカンきっかけなのよ。
ノグチ
へぇ、そうなんですか。···いや、全然わかりません。
劇団の芝居の中でちょっと3人コントやろうか、ってなったことがあって、その時に嶋川さんから「佐々木小次郎がやりたい!」というオーダーをもらいまして。
嶋川
そう、シュッとしたキャラクターをやりたかったから。
コントの中身関係なく、シュッとした演技したいって。(笑)考えるのは僕なんですけど、それだけ言われてたんですよ。
バンダイ
それだけ?ですか。
嶋川
いいじゃない、演者に徹するってプロだよ?
で、考えているうちに、巌流島の決闘に武蔵のお母さんが心配でついてくるって設定ができて。
嶋川
そのお母さんをお願いされたわけ。おかしいでしょ?こっちはシュッとした演技がしたいと思ってんのに、オカンをやってくださいって。後輩の関がそれを言うわけ。
でもその時「嶋川さん、これはオカンが一番ウケますから」って言って、そしたら···。
嶋川
「え?ウケる?どれ台本は?これが、ほう、ウケるわけ??」
「ウケます!」
嶋川
「そう??ウケんのね」となって、やってみると···。
ノグチ
ウケた?
120%だった!
嶋川
違うよ···200だよ。200%(笑)
そんくらいウケたんですね。それでその後、僕からコンビ組みましょうって誘うんですけど。
嶋川
それがまたおかしいんだよ。「嶋川さん、僕はあのオカンとコンビを組みたいんです」って言ったの。「はぁ??じゃ、ずっと女装すんの?」って。
「そうです」って。(笑)

「この人おかしいんだよ、ずっとオカンやれって!」by 嶋川さん

嶋川
そこからずっとオカン。今では着物も50枚くらい持ってます。
ノグチ
50枚?!
嶋川
もう県内の人は見慣れてくれたところありますけどね、よく考えたらおかしいんだから。着物で女装してテレビ出たりが普通ってさ。

「ね、おかしいでしょ。情報番組で毎回女装してんだよ!」by 嶋川さん2回目

ノグチ
確かにおかしい。
···というわけで、今日はキャラクターをRethinkしたお話を伺いました。
母心のお2人、ありがとうございました~。
嶋川
ありがとうございました~!
ちょっとちょっと!!まだ全然福島での話してないから!
バンダイ
(今日帰れるかな···)

福島にお笑いの仕事をつくる

バンダイ
結成当時、福島でお笑いが仕事になるってみんな思ってなかったと思うんです。何か作戦があったんですか?
いや、ただただ「やりたかった」ってだけだと思います。福島にお笑いの仕事が定着してないってことも知らなかったし。だから集団でステージをやろうってなった時も、音響も照明も受付まで自分たちでやりながら「ステージ上に今誰が出てるから」とか考えながら人を配置したり、とにかく必死。
嶋川
県外から来たから親戚もいないわけ。つながりを作らなきゃと思って、片っぱしからプロフィールを送ったりね。学校とか行政とか、代理店とか。

画質からもお分かりいただける、若き日のお二人と仲間たち。
「嶋川さんはどこだ?クイズ」としてもお楽しみください。

バンダイ
(写真古っ!)
ノグチ
なるほど、そうやって地道なことをやっていたら変化が起きた?
嶋川
ありがたいことに、ちょっとでもテレビに出るようになると電話がかかってくるようになったんだよね。「おらのとこの祭りに出てくんねが?」って。そのうちイベント制作をする会社のリストにも名前が載るようにもなって、そこからグッと仕事が増えてきた。
バンダイ
今では福島のイベントで「お笑いステージ」という時間が当たり前のようにありますけど、昔はなかった気がします。
嶋川
そうか、やっぱり昔はなかったんだ。地域のお祭りで一日中なにかステージでやってる中に「お笑いステージ」という枠ができるようになったんだね。
ノグチ
そうしているうちに結成から10周年を迎えて、全市町村をライブで回ることに?
嶋川
そしてゴールの会場を飯坂温泉のパルセ飯坂というホールにしてね。実はそこのホールで10年前にやった時には2000人の席があるのに30人しか来なかったの。
バンダイ
30人??それは、その···やっちゃいましたね。
やっちゃいましたねぇ。当時はいろんな人にご迷惑もかけたから、10年経って正確には1904人が入るパルセ飯坂を満席にしようと頑張って。
ノグチ
そして1904人で満席になった!めでたしめでたし!
嶋川
そう思うでしょ?私もそう思ってたら、売れたのが1902席。あと2人がなぜ来ない!(笑)
ノグチ
あぁ、僕とバンダイが行ってれば···。ほら、バンダイ。
バンダイ
···ごめんなさい。でも10年間の成果を感じます!お客さんの反応も変わりましたか?
10年観てもらってるんだなと思うのは、笑いの起きるポイントが他の土地とは違ってて、例えは嶋川さんが失敗したりすると笑うんですよ。これって、ステージ以外の嶋川さんがどんな人かを知っていないと起きない笑いだと思うんで、そこは福島だからこその反応ですよね。

コツコツと活動を続けて、今や福島のイベントには欠かせないお二人に。

土地のルールに合わせる

バンダイ
お2人が福島に軸足を置くにあたって意識されてることってありますか?
嶋川さんを見てて思うのは、この人軸足をその都度変えてるんですよ。
嶋川
おいっ!ブレてる人みたいに言うなっ!
ほんとブレてるの。芯がないな~くらいに最初思ってたの。
嶋川
ちょっと一旦全部止めて。(笑)
嶋川さん見てると、福島にいるときは「福島のために頑張ろう!」ってやってるし、東京の仕事があったら「東京で売れよう!」って切り替えられる。そうやって考えを変えていけるってすごいことだなって思うようになった。
嶋川
ごめん、止めなくていい。もっとちょうだい。
バンダイ
(早速この一瞬でブレてる)
嶋川
いや、やっぱり土地土地にそこのルールがあって、そのルールに合わせて臨まないとダメだと思って、その場に合わせた仕事をするように考える。逆に地方のルールのまま東京でやろうとしてもそれは難しいし。スタイルとかスタンスもその場で変えていくというか、郷に入っては郷に従うのが私のタイプかな。
ノグチ
関さんは?
僕はブレないです。(笑)
嶋川
そう、最初っから福島愛がすごい。地元の人ともよくお酒呑むし。
これは福島愛ってことになるかわからないけど、県内のロケでいろんなところに行くんですよ。そういうときにはお土産を買うことは欠かさない。いや違う、買わされる!(笑)

お土産を買わされるという名物ロケ。

嶋川
ギャラ超えるくらい買ったりね。そのメガネとか。
視力1.5なのに、なんで4万のメガネ買うのって。
バンダイ
え?それ伊達メガネですか?
伊達ですよ!ほんとに僕、視力はいいんで。
バンダイ
(メガネ仲間だと思ってたのに···)

すました顔で「えぇ、伊達メガネです」と。

嶋川
あとは県内だけじゃなく、全国のいろんなところ行った時に、そこの居酒屋で福島のお酒を飲んだりもするね。これも福島愛かな。
ノグチ
おおっ、福島にいない時でも福島のこと思ってるじゃないですか!
嶋川
え?···ちょっと今の部分を太字で書いといて。あんまり見せてない部分だから。
ノグチ
すみません、もうレコーダーのバッテリーが切れてたかもしれないです。
嶋川
ちょっと!まぁいいか、密着ドキュメンタリー番組とかにとっておきます。
いや、まだバッテリー残ってますよ。ほら、ランプがついてる。
バンダイ
(ほんとに視力いいんだな···)

やっぱり舞台が似合う母心のお二人!

母心のRethink

Rethink Point

「自分たちのスタイルを貫く」→「土地のルールに合わせる」

「郷に入っては郷に従う」

そのほかの 福島のRethinkな人たち

  • ~ミュージシャン 渡辺俊美さん~

    「直接の手助け」→「自立の場をつくる」

    「HelpでなくMakeで生まれる未来」

    HelpでなくMakeするステージを

    TOKYO NO.1 SOUL SETや渡辺俊美&THE ZOOT16、猪苗代湖ズでも活躍する渡辺俊美さんは福島県川内村出身のミュージシャン。震災後、現地でのさまざまな活動からふるさとをどう見つめ、どうRethinkしてきたのか。ノグチくんとバンダイさんが俊美さんの思いを伺ってきました。

    MORE
  • ~騎馬武者ロックフェス 代表 鎌田仁さん・前代表 吉川勝彦さん~

    「音楽好きのためのフェス」→「家族が里帰りするフェス」

    「経験に勝る地元への愛」

    「おかえりなさい」と「ただいま」の音楽フェス

    福島県南相馬市で開かれている「騎馬武者ロックフェス」は、震災後に運営未経験の地元仲間が集まってスタートさせた音楽フェス。被害の大きかった南相馬でフェスを作る際に持っていた視点とはなにか?
    福島県では暖かいとされる南相馬も寒かったインタビュー当日。バンダイさんとノグチくんが熱いお話を聞いてきました!

    MORE
  • ~漫才コンビ『母心』 嶋川武秀さん·関あつしさん~

    「自分たちのスタイルを貫く」→「土地のルールに合わせる」

    「郷に入っては郷に従う」

    福島お笑いの開拓者

    漫才コンビ「母心」は2008年に福島県で結成され、その後も長く福島県で活躍している。お笑いという仕事が福島ではまだメジャーでなかった結成当時、どのようにお笑いの仕事を定着させてきたのか。そしてそこにあった、お2人のRethinkとは?今回は賑やかになりそうです。

    MORE
ページトップ