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東日本大震災以前から、災害があった地、悲しい出来事があった地でキャンドルを灯しているのがキャンドルアーティストのCANDLE JUNEさん。今でも毎月11日は福島県に足を運び続けるJUNEさんの活動、10年間でのRethinkを伺いにノグチくんとバンダイさんがアトリエに潜入(?)しました。

支援の始まり

大きな赤べこもいる、ここはいったい・・・。

ノグチ
おいバンダイ、なんだかすごい場所に来たけどなんだここは?
バンダイ
アトリエだよ。ここで生まれたキャンドルに全国各地で火が灯るんだって。
ノグチ
キャンドル??あ、俺の誕生日のサプライズか?気づいちゃってゴメン。でもちゃんと驚くから、気にせずやってくれ!
バンダイ
いや、ノグチくんの誕生日だいぶ過ぎてるから。
JUNE
あ、それは触らないでね。
ノグチ
うわっ、びっくりした!けど、このびっくりもある種のサプライズ!もしやケーキを持ってきてくれたんですか?数ヶ月遅れでも嬉しいです。
バンダイ
違うよ、今日お話を伺うCANDLE JUNEさんだよ。
JUNE
よろしくお願いします。
ノグチ
お願いします。僕、若干失礼なところが持ち味なんで、いきなりジュンさんって呼んじゃいます。
バンダイ
(あ、失礼だっていう自覚はあるんだ・・・)
JUNE
どうぞどうぞ。福島の子どもたちからもそう呼ばれてます。
バンダイ
ジュンさんは震災後ずっと、月命日の11日には福島に足を運んでるんだよ。
ノグチ
え?今年で10年になりますけど、その間ずっとですか?
JUNE
2020年はコロナの影響で行けなかったこともあったけど、それ以外はずっと行ってますね。
ノグチ
おひとりで、ですか?
JUNE
そういう時もあるけど、仲間と一緒にね。2011年の3月11日に東日本大震災が起こって、その日のうちに仲間と話して14日に支援団体として「LOVE FOR NIPPON」を立ち上げました。
その仲間たちと一緒に行っています。

メッセージが書かれたフラッグ。

ノグチ
わずか3日後に??
JUNE
3月14日にはすでに集めた物資を持って福島に入ってましたね。それから福島、東北と東京を車で行き来するようになってもうすぐ10年。
ノグチ
かなりの距離ですよ・・・、それを何往復も。
JUNE
最初の頃はそれまでキャンドルを積んで移動してた車に、ガソリンとか水とか物資を積んで行ったり来たりしてて。走りながら「今まで自分がやってきた仕事って意味なかったんじゃないか」とか考えたりね。
バンダイ
キャンドルを作るという仕事が?

大小さまざまなキャンドルがこのアトリエから生まれる。

JUNE
そう、ずっとキャンドルで空間を作るということをやってきてたんだけど「あぁ意味なかったな」って。それが3ヶ月経った時に、いわき市の四倉の方から「月命日にキャンドルを灯してくれませんか?」と言われて、初めて「仕事」をお願いされたんです。お金とかはもらわなくとも、自分の仕事をね。
ノグチ
いわきって海沿いですけど、風とか強いですよね?
JUNE
その風がね、キャンドルを灯す時にピタッと止んだんですよ。
ノグチ
おおっ!
JUNE
そこから、毎月行こうって。
ノグチ
・・・さらりとすごいことをおっしゃいますけど、毎月ですよ?年に一回でなく。
JUNE
年に一回、3月11日は確かにみんなの関心レベルが上がるんですけどね、そこだけやるってのが何か売名行為みたいに感じちゃって。だったら、クセをつけようと。
バンダイ
クセ、ですか?
JUNE
人って考え方も言動も、クセで動いてると思うんですよ。「しなきゃいけない」とかじゃなく、自然にクセで動くようにしようと思って、それで毎月11日に福島に行くクセをつけました。
ノグチ
次第に仕事への考え方もまた変わりましたか?
JUNE
ずっとキャンドルの灯し方とか、空間をつくることにこだわって全部自分でやってきてたのが、月命日でキャンドルを灯すようになって気づいたのは「キャンドルってメディアになるんだな」って。
ノグチ
ん?キャンドルがメディアに?すると、キャンドルメディアジュンさん??
JUNE
キャンドルのカップの部分に、みんなからメッセージを書いてもらって灯すんですよ。そこにはそれぞれの思いがあって。これは思いを乗せるもの、メディアになるんだなと。

実際にメッセージが書かれたキャンドル。

子どもたちも真剣。

バンダイ
そういうやり方はそれまでしていなかったんですか?
JUNE
なかったです。そうやって「みんなで灯そう」ってなったことも毎月続けようって思った理由になってます。

10年通ってできる繋がり

ノグチ
毎月となると福島の人たちも「あ!またジュンさんが来てくれた!」ってなりますよね。
JUNE
そうそう、それでご飯いただいたりね。「トミ子さんの牛すじ煮込み」とか。
ノグチ
今、全国のトミ子さんがピクッと反応しましたよ
JUNE
仮設住宅含めて、福島でいろんな人のお宅に伺うんですけどね、避難所にいた頃から家族で迎えてくれるトミ子さんのお宅で、特別な時に作ってくれるのが牛すじ煮込み。これが美味くってね。
ノグチ
今日はこれを読んだ全国のトミ子さんが牛すじを煮込むと思います。
JUNE
あとは小さかった子どもたちが成長していく様子とかも見られたり。
バンダイ
10年だと、幼稚園児だった子でももう中学生とかですもんね?
JUNE
だから、中学生の男の子がヒューマンビートボックスのプレイヤーになってて、
「JUNEさんのステージに出たいです!」ってメールが来たりね。
ノグチ
え?でもプロのアーティストさんが準備してるステージですよね?
JUNE
上がりましたよ。音響とか周りをプロが固めてね。(笑)そういう成長も楽しみですね。

おじちゃんおばちゃんたちとも。

子どもに囲まれて枕になったりも。

地域のお祭りにも。この距離感がジュンさんの活動。

バンダイ
嬉しかっただろうなぁ。その成長が見られるまでに10年。
・・・長いですよやっぱり。その間続けてるって凄いことです。そのパワーってクセだけでどうにかなる気がしないんですが・・・。
JUNE
震災が起きてから1年経った時に、仮設住宅のある現地でイベントをやったんですけど、その時に謝ったんですよ。
ノグチ
え?なんでですか??
JUNE
2011年の日本に支援のエネルギーがすごくあったから「1年あればもっとできる」と思ったのにできなかった。「できなくてすみません」と。それが2年目も、3年目も思ったようにできなくて謝った。で、4年目の時に初めて福島の人たちに「ありがとう」って言うことができて。
ノグチ
ありがとう、を言われるんじゃなくジュンさんが言うんですか??
JUNE
自分たちのそれまでの活動を、逆に福島の人たちが支えてくれているって思って。行くたびによく言うんですけど「たのしいね うれしいね おいしいね ありがとう」って。それが本当に感じられて、だからその先も続けてこれたんだと思います。

日本にある「おたがいさま」の心

バンダイ
お話を伺っていると、ジュンさんの活動って双方向という気がするんです。支援というと、どうしても一方通行な気がするのが、そうじゃないあり方というか。
JUNE
支援とかに関する言葉で言うと「ボランティア」とか「SDGs」「CSR」って全部外国からの言葉ですよね。そうじゃなくて、日本には「おたがいさま」っていう生き方があるんだよって思っていて、それを福島から世界に発信したいなって。
ノグチ
福島訛りで言うと「おだがいさま」ってやつですね。
JUNE
そう、「おだがいさま」で本当にやりたいことをやっていると、そこに「ありがとう」の循環が生まれるんですよ。「やってくれてありがとう」「いや、こちらこそありがとう」だよって。
バンダイ
なんとなく「支える」というより、「支え合う」「寄り添う」というイメージです。ただ他にもそうありたいと考える人はいると思うんですけど、ジュンさんがそう思って活動できるのって何故なんでしょうか。
JUNE
活動というより、生き方そのものなのかな。僕はとにかく現地の人の声を聞いてきました。そうすることで知らないことを知れたし、仲間も増えた。声を大にした支援の形よりも、まずそこに暮らす人の話を聞きたい。地球規模の環境の話もいいけど、その前に福島で実際に暮らしている人たちの話を聞いて、語らないといけないんじゃないかと思っています。
ノグチ
あの、ジュンさんってもともと聞き上手だったんですか?
JUNE
全然。(笑)
ノグチ
ええええ?そうなんですか?
JUNE
昔はむしろ「気軽に話しかけてくれるな」って思ってましたよ。(笑)
ノグチ
そうなんですね、今日は気軽に話しかけられてよかった。
JUNE
現地に愛想ない人が来たって話をしないでしょ。笑わない人に子どもも寄ってこないし。新潟中越の地震の頃から現地に行く中で、そこはどんどん変わってきた。
ノグチ
生のジュンさんが笑っているところを確かめたい人はどうすればいいですか?
JUNE
2021年の3月11日、福島県のJヴィレッジを中心に「SONG of the EARTH」というイベントをやります。そこに来てもらえたら、いますよ。笑ってる、はず。(笑)
ノグチ
笑っててください!今年は10年の節目ですね。
JUNE
終わりでなく、ここから2030年を目指したスタートにします。

SONG of the EARTHの様子。JUNEさんの周りに仲間が増えていく。

SONG of the EARTH オフィシャルサイト(http://songoftheearth.info

CANDLE JUNEさんのRethink

Rethink Point

「支える支援」→「おたがいさまの支援」

「当事者に寄り添う」

そのほかの 福島のRethinkな人たち

  • ~LOVE FOR NIPPON 代表 CANDLE JUNEさん~

    「支える支援」→「おたがいさまの支援」

    「当事者に寄り添う」

    『おたがいさま』で生きる

    東日本大震災以前から、災害があった地、悲しい出来事があった地でキャンドルを灯しているのがキャンドルアーティストのCANDLE JUNEさん。今でも毎月11日は福島県に足を運び続けるJUNEさんの活動、10年間でのRethinkを伺いにノグチくんとバンダイさんがアトリエに潜入(?)しました。

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    非日常行きのタクシー

    福島県郡山市にある旅行会社、孫の手トラベル。孫の手トラベルが企画する「Food Camp」ツアーには、タクシー会社から生まれた旅行会社ならではの視点が活かされている。代表の山口松之進さんのもとにノグチくんとバンダイさんが駆けつけると、そこには大型のキッチンカーが!これは何だ??

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