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福島県福島市を本拠地とするサッカークラブ福島ユナイテッドFC

J3リーグを戦うこのクラブには選手とスタッフが農業を行う「農業部」がある。

サッカークラブがなぜ農業を行うのか?

地域におけるサッカークラブのあり方をどうRethinkしたのか?

夏の暑さが近づく福島市で、ゼネラルマネージャーの竹鼻快さんに、

今回もノグチくんとバンダイさんがお話を伺ってきました。

 

福島ユナイテッドFC公式サイト

本気の農業

ノグチ
今日はよろしくおねが、、、ちょっとすみません。
(なぁバンダイ、もしかしてさ・・・)
バンダイ
(いや、絶対そうだよ。すごい量だもの)
竹鼻
えーと、何でしょう。
ノグチ
あの~、インタビュー前はいつもお風呂に入るんですか?
バンダイ
(福島市には温泉も多いし・・・入るんですか?)
竹鼻
いや、入ってない!これ汗だから!
暑いでしょ、今日。福島は盆地だから暑さも厳しいんです。
ま、でもこれが終わったら入ろうかな。試合後ってことで。

福島ユナイテッドFC、ゼネラルマネージャーの竹鼻快さん。暑い中ありがとうございます。

バンダイ
(インタビューが試合になったらしい。がんばれノグチくん。)
ノグチ
あ~よかった。あやうく「いい匂いしますね」って言うところでした。
竹鼻
あはは、するかな~どうだろう。
バンダイ
(・・・キックオフまだですか?)
ノグチ
早速ですけど、農業部って何ですか?
竹鼻
選手とスタッフが福島を代表する農産物を生育すること。そして試合会場やイベントで販売する活動のことです。
東日本大震災後の風評被害を払拭するために我々にも何かできないかと考えて、2014年からスタートしました。

イベント会場での販売の様子。野菜や果物のほか、加工品も扱う。

ノグチ
どんなものを作ってるんですか?
竹鼻
りんごからスタートして、今では、桃・米・ぶどう(高尾)洋なし(ル・レクチェ)。今年からはアスパラガスも育てています。

収穫されたアスパラ。アスパラも福島県の特産物のひとつ。

ノグチ
なんかお手伝いとか1日体験とか、そういうレベルじゃなさそうですね?
竹鼻
はい、仕事として農家さんと一緒に本気でやってます。
桃なら木を1本単位で、米なら土地を1反単位で購入して、年間を通して生育を行いますから。

まだ寒さが残る時期から果物づくりは始まる。

稲は手で植えるだけでなく・・・。

田植機もつかいこなす!

ノグチ
でもサッカークラブですし、試合以外に練習もありますよね?
竹鼻
選手たちは午前中にトレーニングして食事後に農作業に向かいます。
桃の収穫時期は、収穫、選別、箱詰めから出荷までやりますからハードですよ。

トレーニング風景。この後に農作業とは、ハードです!

ノグチ
こまでやるんですね。それで・・・
終わると温泉行きたくなるわけですね?
竹鼻
わかります?確かに市内にある飯坂(いいざか)温泉は近いですね。
あ、インタビューも温泉でやればよかったか!
バンダイ
(そこは農園とかでしょ。脱ぎたがりなタイプなのかな・・・)
ノグチ
クラブには外国人選手もいますけど、彼らも同じように農作業を?
竹鼻
はい、桃とかめちゃめちゃ喜んでますよ。
バンダイ
おおー、インターナショナルなんですね。

「オイシクナッテクダサイ、オイシクナッテクダサイ」

ノグチ
彼らがおいしい桃を見つけても、つまみ食いは即イエローカードでお願いします!
竹鼻
ははは。場合によっては一発レッド出しますよ。
いや、桃だからピンクカードか。
バンダイ
(ほんとに出しそうなんだよな・・・)

サッカークラブのある街

ノグチ
本気で農業やってみたら何か変わりましたか?
竹鼻
クラブの外の方たちと交流する機会が増えたことは、いい刺激になっていると思います。
高卒など若い選手も多いので、間接的とはいえ、彼らにとっては社会を経験する場にもなっていますね。
ノグチ
クラブ経営という面では?
竹鼻
経営という面で言えば、収入源が増えることにもなったのもいいことですね。
サッカーはスポンサー料、放映権料、チケット、グッズなど実は収入源の幅は限られてますから。
ノグチ
そもそもなんで農業をやろうと思ったんですか?
竹鼻
GMとして私がずっと考えてきたことは、地域の皆さんにどうやったら
「このクラブがあってよかった」と思ってもらえるか、ということです。
実は福島ユナイテッドFCというチームはスタジアムの関係で、勝ち続けたとしてもJ2という上のリーグには上がれないんです。
バンダイ
え!そうなんですか?
竹鼻
はい。そのチームがどうやったら「あってよかった」と思ってもらえるか。
震災後、風評被害払拭に福島県が動いているときに「これだ」と思ったわけです。
ノグチ
クラブの周りには農家さんも多いんですよね?
竹鼻
ええ、実際に風評被害に苦しんでいる声も聞いていましたから、我々が育てたものを全国の試合会場でPRすることで協力ができるのでは、と思いました。
そして、一過性で終わるものでなく、クラブとしても収入源になる活動にすることで継続できる。そう思ったのが今の形のきっかけですね。
ノグチ
福島にあるチームが地域とつながるには農業だ!と。
竹鼻
チームごとにいろんなやり方はあると思います。
私は以前にガイナーレ鳥取でもGMをやっていたんですが、サッカーと街が相乗効果で盛り上がっていくのを肌で感じましたから。
ノグチ
いま、謙虚に「感じました」とおっしゃいましたが?
それは竹鼻さんが~??
竹鼻
・・・作りました!盛り上がりを私が作りました!(笑
バンダイ
(ノグチくん、攻めたなぁ。)
竹鼻
もちろん、選手含めてクラブのスタッフ、街の皆さんとね。
ここ福島でも、クラブとして地域の特徴が出るような活動することが、街全体を盛り上げると思っています。
ノグチ
とはいえ「農業やるぞ!」ってなったときに、「なんで?」という混乱はなかったんですか?
竹鼻
選手たちよりも、農家さんに驚かれましたね。
確かに、サッカー選手がなんで農業を?と思いますよね、普通。
でもしっかりと思いを伝えて続けていくにつれて、理解していただけるようになり規模も大きくなってきました。

収穫を迎えるまでの細かな作業もしっかりと。
ここまでやるのが農業部。

竹鼻さんのRethink

ノグチ
Jリーグの中に農業やってるクラブって他にもあるんですか?
竹鼻
いや、ここまでやっているクラブは他にはないと思います。
他がやってないこと、新しいことをやるのが好きなんです。
ノグチ
GMがそういう新しいチャレンジをしようと思えるのって、どういう考え方がもとになってるんでしょうか。
あ、「才能です!」とかはいらないです。試合時間も残り少ないんで。
竹鼻
え?言いたかったなぁ。「才能です」ってさらっと。
バンダイ
・・・・。
竹鼻
ひと言でいうと「99%側を向いて考える」ですかね。
ノグチ
・・・決まった!というお顔のところすみません。
わかりません、100%わかりません。
竹鼻
え?顔に出てました
バンダイ
(はい、出てました。)

顔に出やすい竹鼻さんの、アスパラ収穫での満足げなお顔。

竹鼻
例えば、お隣の仙台にはベガルタ仙台というクラブがあって、試合があると1万人とかスタジアムに駆けつけるんですね。
バンダイ
1万人!すごい人数ですね。
竹鼻
そうですね。でも政令指定都市である仙台市の人口からするとそれでも1%くらいなんです。
バンダイ
ああ、1万人でも1%ですか。
竹鼻
これを福島市にあてはめると、1%で大体2500から3000人です。
ベガルタのようにJ1に上がったとしても、同じ理屈で考えるとそのくらいなんです。
ノグチ
街の規模が違うわけですもんね
竹鼻
そうです。
ですから私が考えるのは、もちろん1%を2%にする努力はした上で、「残りの99%の人にクラブのことを届けるにはどうしたらいいだろう」ということなんです。
どんな街であっても、サッカーが好きな人とそうでない人が当然います。
バンダイ
そうですよね。
竹鼻
試合に来ない99%の人にも「この街にこのサッカークラブがあってよかったな」と思ってもらいたい。
そのためにサッカーとはまったく違ったアプローチをしてみよう、と。
ノグチ
なるほど!わかりました99%くらい!
竹鼻
そのアプローチの一つが、我々にとっては農業なんです。
農業部を続けることで地域に必要とされるクラブ、あってよかったと思ってもらえるクラブに近づけると信じています。
ノグチ
地域に根ざしたクラブ!Jリーグの理念にも重なるもの!
100%理解しました!

クラブのカラーは赤だが、ユニフォームには桃のPRも兼ねた限定のピンクもある。

竹鼻
はい、この地に根ざした福島らしいサッカークラブを作りたいですね。
ノグチ
楽しそうですね、応援します!今日はありがとうございました。
え?お土産に桃まで??
竹鼻
残念、桃は別の時期にまた来ていただければ。
ノグチ
また来ます!食べたいので!
バンダイ
(試合終了、でいいのかな?勝ち負けはよくわからないけど。)
竹鼻
しかし、暑いですね今日は。このあと本当に温泉行きますか?
ノグチ
行きます!!120%行きます!
バンダイ
(延長戦もあるらしい・・・)

竹鼻さんのRethink

Rethink Point

「サッカーファンのサッカークラブ」→「街全体のサッカークラブ」

地域の特性を生かす

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